梅雨前線が日本列島を北上してきた。
例年だと、鬱陶しい気持ちにさせられるが、今年は、歓迎する気持ちが何処かにある。理由は、新型コロナウイルスは紫外線と高温・多湿、雷に弱いという話をウイルスの研究者から聞いたからである。希望的観測ではない。

元々、ウイルスは低温、寒冷地で発生し、光などの電磁気エネルギーに弱いといわれていた。木枯らしの季節までは、しばらくは凌げるというわけだ。

今、世界中の科学者や研究機関、製薬会社が新型コロナウイルスのワクチンや特効薬の開発に躍起になっているが、どんなに早くても、今秋にも予想されている感染の第二波には間に合いそうにない。

今、ここで緊急の備えが必要なのは熱中症である。
今年の夏は高温、多湿が予想されている。
さらにマスクをしていると体温が上がりやすくなる。それでもマスクをという。こんな蒸し風呂状態に耐えられるのか。熱中症は、発熱、悪寒、倦怠感から始まり、新型コロナウイルスの症状とよく似ている。先ず、熱中症に罹らないようにすることが肝要である。

外気が体温(36.5度)を超えると体は、水代謝を促し、水の蒸発(発汗、排尿、呼吸)を活発にして体温を下げる働きをする。熱中症は室内にいても、安心できない。40%近くの人が室内で発症している。体が渇いて、水の供給がないと、体は電気ポットの空焚き状態になる。

熱中症は異常高温で起こると思われがちだが、実は、体内の水不足が原因である。対策として、こまめに水を飲むこと。そして適度の塩分を補給することも忘れてはいけない。

体内の水分が体重比の 3パーセント失うと熱中症になる
  • 体内の水が 2%(体重に占める割合)失われると:喉の渇き
  • 体内の水が 3%失われると:強い渇き。ぼんやりする。食欲不振
  • 体内の水 4%失われると:皮膚の紅潮。イライラする。体温上昇。疲労困憊尿量の減少と濃縮
  • 体内の水 5%失われると:頭痛。熱にうだる感じ。
  • 体内の水 8~10パーセント失われると:身体動揺。けいれん。
  • 体内の水 20パーセント以上失われると:無尿。死亡。

中高年は熱中症の予備軍である。頭痛、眩暈、吐き気、高体温の症状が現れたら熱中症を疑い、すぐに水の補給が必要となる。水分ではなく、水でなければならない。

ここに問題がある。
ほとんどの人は、体内乾燥のことを理解していない。
あるいは多少の水不足なら気付かない。

一般的には、体が水不足になると自動的には喉が渇くと思っている。これは大いなる勘違い。喉の渇きを感じるのは、20代までである。渇きのシグナルを送るのはバソプレッシンという成長ホルモンである。成長期が過ぎると、ホルモンの分泌が少なくなり、体が渇いていても感じなくなる。高齢者になればなるほど顕著になる。

熱中症には上記のように様々な段階があるが、気を失い、倒れたに時はほとんど手遅れに近い。熱中症か新型コロナウイルスの感染による症状か、素人では判断がつかない。熱中症の原因は体内の水不足にあることは自明であるが、水と水分の違いが混同されていることから悲劇が起こる。お茶、コーヒー、麦茶、ジュース、コーラ、ビール、ワインは水の替わりにはならない。

このことを強調しておきたい。
風呂上がりのビール1杯!は魅力的だが、水分の補給になっていないばかりか、水不足が進行する。アルコールやカフェイン飲料には脱水作用があり、血液から水を奪う。さらに体内乾燥が進む事態となる。

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