新型コロナウイルスによる死者は全世界で100万人を越えた(2020年9月現在)。

コロナ騒ぎによって、世界の隅々までマスクに覆われてしまった。
今のところ、地球防衛軍は防戦一方の状況である。
打開策はあるのか。
皆目、見当がつかない。

後世の人は2020年をどう表現するのだろうか。
パンデミック(世界的感染)では、物足りないのではないか。

それにしても、マスメデアは酷い。
あること、ないこと。
連日、アオリ続けてくれる。

コロナ鬱による自殺者も出ている。
こんな過酷な日々はいつまで続くのか。
考えても仕様がない。

そこで、自粛生活もほどほどにして、
たまには少人数で秋の野山の散策に出かけるのもよいと思う。

先日、孫娘家族と山梨の富士川沿いの鄙びた山の湯に出かけた。
一軒、貸し切り状態。サービス満点、大名気分で過ごしてきた。
コロナ疲れも吹っ飛んでしまった。

ここで、明るいニュースを紹介することに。

京都大学大学院・上久保靖彦教授の論文がお勧めである。
上久保教授は感染症、免疫の専門家である。
連日、テレビのワイドショーに出演しているタレント先生とは別格である。

上久保教授によると世界中で新型コロナウイルスのワクチンの開発が進んでいるが、すでに日本人はワクチンを打っているのと同じ状態にあるという。
今、無症状の陽性者が増えているのも、彼らは自らの免疫で、すでにコロナに打ち勝っている人たちだと説明している。

日本人はすでに「集団免疫を獲得しているというのだ。
集団免疫というのは一度、ウイルスに感染すると体内の免疫システムが働いて「抗体」ができ、その後、同じウイルスに感染しにくくなったり、重症化を防いだりする仕組みである。
人工的に抗体を作るのがワクチンである。
先進国では、北欧のスウェーデンが集団免疫を獲得し、
新型ウイルスの抑え込みに成功し、収束に向かっている。

日本は各国と比べて新型コロナの感染者、重症者、死者が極めて少ない。
「日本の奇跡」と世界から呼ばれている背景には
「集団免疫を獲得しているから」と上久保教授は指摘している。

では、何時、どこで日本人は集団免疫を獲得したのか。
上久保教授と共同研究者の吉備国際大学の高橋淳教授は以下の様に説明している。

新型コロナウイルスには、
発生から変異までK型→S型→G型の3パターンがある。
感染力や毒性は変異するごとに強くなることが分かっている。

新型コロナは最初に中国の武漢市で弱毒のS型が発生し、
その後に弱毒のK型、強毒のG型の順に変異した。

中国人観光客の入国によって昨年12月にS型が日本に上陸、
今年の1月中旬にはK型がやってきた。
しかも、日本は3月8日まで中国からの渡航を制限しなかったため約184万人の中国観光客が来日し、S型とK型が日本中に広がり、多くの日本人が感染した。


しかし、ほとんどが弱毒の新型ウイルスだったことが幸いして、重症化はしなかった。

それにより、日本人は知らない間に集団免疫を獲得した。
弱毒のS型とK型にセットで感染することにより、その後に流入した強毒型のG型の免疫を獲得した。

一方、2月初頭から中国人の渡航を厳しく制限した欧米では、K型が十分に広まらなかった。
そのため、中国・上海で変異した強毒性のG型が欧米に流入した際に防御できず、インド、中南米の国で重症者が激増した。
対する日本は集団免疫ができていたため、強毒のG型が流入しても被害が少なかった。

上久保教授らの試算によれば日本人の85%以上が免疫をもっているという。

この秋以降、新型コロナとインフルエンザの「ダブル流行」の予想に対して上久保教授も高橋教授も楽観的だ。

何と11月に新型コロナウイルスは収束するという。

その根拠は、今のところ日本人はS型50%、K型55%、武漢型80%、欧米型85%で集団免疫が成立し、このままいけば11月にはほぼ100%の日本人は免疫をもつことになる。

高齢や基礎疾患など重症化リスクがなければ、今後、死亡する人も少なくなる。ウイルスの変異も11月で幕を閉じ、年末には新型コロナは終焉を迎える。

何とも大胆な予測をしているが、確固たるエビデンスに基づいた報告である。

新しい年になると、ようやくマスクを外して歩けるようになる。

2020年 9月

           特定非営利活動法人プロトン医学研究所
理事長 大坪亮一(Ph.D.)

カテゴリー: 自分医学通信