自分医学通信 (2)

世紀の発見

熱水噴出孔は、約2000mの深海の天然発電所で、地球生命誕生の現場といわれている。21世紀を間近に控えた2000年12月、大西洋中央海領で新しいタイプの熱水噴出孔が発見された。噴出孔は白いカンラン石の塊で20階建のビルに相当する。白い搭は「ロストシテー」と名付けられた。生命誕生の謎が「ロストシテー」の研究から次々と明らかにされていった。

熱水噴出孔内の海水は、熱永動によって解離していた(H2O⇔H+OH)。

水分子から解離したプロトン(H)はDNAに、電子(OH)はRNAに発展分化していったと考えられている。

図式化すると、RNA→DNA→タンパク質→原始生命体→ウイルス、バクテリア→細胞となる。無生物と生命体がようやく繋がったのである。

 かんらん石はらせん状にくねっており、ヒトの腸管とよく似ている。

ヒトの腸管には常時、10リットル水が蓄えられており、小腸において水と食べ物から血球細胞を作っている。血球細胞には体細胞を作る多くの生命体が潜んでいる。

ロストシテイーの発見から100年前、生命発生に関する世紀の大発見があった。

ドイツの医師、生物学者であるエルンスト・ヘッケルとロシアの生物学者レペンシンスカヤが無生物と生物の谷間をつなぐ生きた物質を発見し、「モネラ」と名付けられた。

不思議なことにモネラの存在は日本の生物学の教科書には、一切、掲載されていない。

科学用語の基礎知識 生物名編(BBN)によればドイツ語:monera。 

かつての五界説で分類された生物。原核単細胞、つまり単細胞生物の内、もっとも小型で原始的な原核生物。モネラとは「単純なもの」を意味する。モネラは原核細胞、主として従属栄養生物(一部には独立栄養)、無性生殖などの特徴をもつ。

 大辞林 第三パ版の解説では、 生物分類の上の一群。独立して自己増殖できない生命単位。ウイロイド、ウイルス、バクテリオファージなどを含む。 これで解説は終わり。

モネラは物質と生命の谷間に存在していることは分かる。正体不明の新型コロナウイルスもモネラに近い存在と考える。

ところが生命科学者をはじめ、ほとんどの人は「モネラ」のことを知らされていない。これでは、新型コロナウイルスに対して歯が立たないわけである。

モネラの存在を最初に発見したのが、ヘッケルである。そして卵黄の表面に発生する赤血球の研究からモネラの存在を検証した科学者がレペンシンスカヤである。 卵黄球は細胞ではない。その細胞ではないものから赤血球という細胞が生まれている。有機物質から生命が生まれたということになる。レペンシンスカヤが実験と観察によってヘッケルの生きた物質(モネラ)の概念を証明した。

参考文献 (「自然医学の基礎 森下敬一著」 

「モネラ」や「生きている物質」という概念は、現代医学・生物学では理解されにくいところであるが、生命問題おいて重要な事柄である。 物質がモネラに変身する前提条件として、水の働きが不可欠である。

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