重症化に対処する━━サイトカインストーム
「日本人や東洋人は免疫機能が強いから、大丈夫だ」こういう根拠のない楽観論は信用しないことが肝要。人体の免疫系は複雑で、高すぎると自己免疫疾患などの難病に罹るケースも少なくない。
新コロナの感染者で、免疫機能が高すぎると、重症化に陥る危険性が高い。「サイトカインストーム」という症状である。新コロナは厄介だ。一筋縄ではいかない。
私たちの体には、病原菌やウイルスなどが細胞内に侵入してくると、サイトカインというタンパク質が分泌して、ヘルパーT細胞(司令塔)という免疫細胞に知らせる仕組みがある。サイトカインが過剰に分泌すると殺し屋といわれているキラーT細胞が働き過ぎて、正常な肺臓や呼吸系の細胞まで攻撃してしまう。これがサイトカインストームと呼ばれている新型コロナの重症化の例で、高齢者や生活習慣病など既往症患者に多い。
免疫細胞の暴走は、アレルギーなど自己免疫疾患といわれている現代病で、今の医学では治せない。ワクチン投与による副作用のアナフラキシーも同じ仕組みによって発症する。
サイトカインストームに襲われると、後は運任せで、
辻直樹辻クリニック・医師
三途の川の淵まで連れていかれる。
免疫系のT細胞にはアクセルとブレーキが備わっている。アクセル役がキラーT細胞(殺し屋)で、ブレーキ役がレギュラトリーT細胞(制御性T細胞)である。レギュラトリー細胞には免疫反応を弱める働きがあることが分かった(大阪大学免疫学フロンティア研究センター・坂口志文教授が発見)。
血清療法の発見以来、医学は、いかに免疫力を付けるかを課題にしてきた。その結果、天然痘やハンセン氏病などが撲滅され、今もHIVワクチンの開発が進められている。
一方、免疫系が強すぎると、キラーT細胞が自己自身の細胞や組織を敵とみなし、過剰な攻撃を繰り返す。キラーT細胞の武器はヒドロキシラジカラル(OH・)という猛毒の活性酸素である。関節リウマチなどの膠原病や1型糖尿病、潰瘍性大腸炎などの難病の原因体ともいわれている。
新型コロナの治療に使用されているステロイド系の薬を使用すると、免疫系のバランスが崩れ、キラーT細胞が支配権を握り、暴走し次々と正常細胞を嵐(ストーム)のように攻撃していく。新コロナの重症化の中でも最も危険なサイトカインストームという症状である。
現代医学では、自己免疫疾患は治せない。過剰なステロイド薬の投与により症状は悪化していくばかりである。
解離水で対応
ところで、免疫細胞のT細胞の本体は白血球である。攻撃型のキラーT細胞の正体はリンパ球であり、分化して抗原のB細胞も産生する。
T細胞の過剰な働きを制御するレギュラトリー細胞は赤血球から発展分化したものである。赤血球の造血機能が衰えると、攻撃型のキラーT細胞の暴走を抑えることが出来なくなる。
赤血球は小腸で作られている(腸内造血)。腸内環境が悪化すると赤血球の造血能力が低下する(白血病)。その結果、レギュラトリー細胞の生産能力が落ちて、T細胞の暴走を食い止めることができなくなる。新型コロナウイルスが増殖すると血管内がT細胞の攻撃を受けて、症状が悪化していく。
サイトカインストームを防ぐには解離水が有効である。
解離水由来のOH-は小腸内で赤血球に発展分化していくことが分かっている。
OH-は電子雲で包まれたエネルギー体であり、強力な抗酸化作用を持っている。攻撃型のキラーT細胞(OH・)に電子を与え、瞬時に無毒化して水に戻す働きがある(米国・テキサス大学で実証)。
健康維持には、血液を作る原料である水が欠かせないことが分かっている。お茶やジュース、清涼飲料水ではなく、水そのもの(水分子)が不可欠である。細胞内に浸透する速度が水道水に比べて100倍も早い、解離水が望ましい。
健康維持のために、1日、成人で必要とされる水の量は、最低2~3リットルである。冬場に冷水か?という人は約70℃(お酒のぬる燗)にすれば、OKである。
70℃前後の水は、エネルギー効率が高い。
自然は脈動する━━
ヴィクトル・シャウベルガー