事故
梅雨が明けたら、熱中症騒ぎ。続いて新型コロナの揺り戻しと何かとイラつく小夏であった。私事ながら、このイラつきは先月から続いている。
1か月前に、自転車の追突事故に遭遇した。整形外科医から右肩鎖骨骨折、全治2か月の診断を受けた。以来、両肩をギブスで固定されて不自由な日常生活を余儀なくされてきた。
好事魔多し、78歳の誕生日の夕方、乾杯用の赤ワインを購入。自転車の前籠に乗せ、横断歩道で信号待ちをしていた。青に変わり、ペダルを踏み込んだ瞬間、衝撃を受けた。後方から猛スピードで走ってきた自転車に追突されたのだ。一瞬、目はワインの方に向き、庇うために右手を伸ばしたのかもしれない。バランスを崩して右肩から前方に落下、自転車ごと側道に投げ出された。赤ワインのボトルが割れ、破片が周辺に飛び散った。一見、血の海に見えたのか、周りは騒然としかけたが、無事、起き上がった私を見て、何事もなかったように、人々は横断歩道を渡って行った。
追突してきた男性は、顔面蒼白。歳の頃はほぼ同じに見えた。「申し訳ない」を繰り返しながら、ボトルの破片を片付け始めた。
暑さで眩暈がして、気がついたら衝突していたという。暴走危険老人ではないか。 もう、自転車には乗りませんから・・・・。ひたすら頭を垂れた。ワイン代を弁償ということで一件落着にした。右肩の辺りが少し傷んだが、幸い後は無傷のようだった。そのまま、自転車を漕いで帰途に就いた。
ところが、翌朝、右腕を見ると付け根から上腕部にかけて内出血しており、見事なタトゥーが出来ていた。右手が肩までしか上がらない。思ったより重症かもしれない。
整形外科に駆け込んだ。レントゲン検査の結果、右肩鎖骨の剥離骨折と診断された。写真で見ると、鎖骨が二枚に割れていた。患部から白い糸くずのようなものが幾筋も垂れていた。切れた毛細血管だと医師がいう。血菅が新生して血液が骨を作る(化骨)のを待つしかないという。両肩をギブスでがっしりと固定された。
血管新生と化骨が始まるまで2週間。ギブスをはずすまで4週間。全治6週間の大怪我であった。週1回の通院で医師の処方は、固定ギブスを外してレントゲン検査を行い、血管新生と化骨の様子を観察するだけであった。
以後、寝ても覚めても案山子状態。歯磨き、洗顔、食事、風呂、着替え、爪切りなど身の周りのことがうまくできない。もどかしいが、どうしょうもない。
ジイジが2歳児に逆戻り・・・・。
「血管新生と 化骨を待つしかない」━━整形外科医の一言で覚醒した。
この逆境から脱する方法は解離水による自分医学を実行するしかないことに気付いた。
実は、今から15年前に、解離水による化骨形成の実例を目の当たりにしていた。
その頃、解離水装置の説明で各地を巡回していた。解離水の臨床で協力を頂いている相模原市の整骨院を訪問した時の話である。Fさんという70歳代の御婦人が電解水による治療を受けていた。治療といっても陰極水を1日、2リットルを飲み、陽極水を2リットル患部に湿布する。水が無くなると、整骨院に取りに来て、診察を受けるという極め付けのシンプルメデシンであった。
Fさんが整骨院に通い始めて3か月、経過は順調で、1週間後に北里大学病院で受ける検査が待ち遠しいと言っていた。
整骨院の院長の説明によれば、Fさんは60歳を過ぎてから、骨密度が低下し、骨粗鬆症を患っていた。自宅の玄関先で転倒し、左腕を骨折した。北里大学の整形外科に駆け込み、手当を受けた。橈骨骨折の重傷であった。
担当医から骨粗鬆症で高齢というハンディを背負っているという理由で、手術して骨折箇所をボルトで繋ぐしか方法がないといわれた。
Fさんは、体に金属を挿入することを拒否して自然治癒(化骨)の方法を選んだ。 2か月を経過しても化骨はならず、Fさんは相模原の整骨院の電解水治療に活路を求めて通院していた。 治療といっても陰極水を1日、約2リットルを飲み、陽極水約2リットルを1日、複数回患部に湿布するだけであった。
橈骨の骨折
手首(前腕)の親指側にある骨(橈骨)が転倒などで手をついた時に起こる骨折。閉経後の女性で骨が脆くなっている(骨粗鬆症)の場合、骨折のリスクが高くなる。
過去、相模原の整骨院では、腰痛、肩こり、突き指、骨折、捻挫などの治療に解離水の飲用と塗布・湿布で、それなりの効果を確認してきたが、骨粗鬆症による橈骨の化骨治療は初めてだという。
北里大学病院におけるFさんの検査結果が出た。二枚に割れた橈骨が4か月後には、ピッタリと接合していた。Fさんの電解水療法の話を聞いて、「水で骨が付いた!?」担当医は首を捻るだけであったという。解離水による橈骨の化骨治療に成功したのである。
血管新生と細胞修復
血管新生と化骨形成の医学的説明は以下の通り。
生体が虚血、炎症、創傷、悪性腫瘍などによって、局所に異変が生じた場合、血管新生因子が生産される。先ず、血液を送り出すために血管再生ための材料が患部に送り込まれる。胎生期や成長期にみられた血管形成のプロセスが再度、働き始める。
血管新生のために、周辺の神経、組織、筋肉などの細胞のリモデリング(新陳代謝)が開始される。
血管新生の仕組み
解離水による骨粗鬆症の治験事例は1999年、米国テキサス大学医学部 F・ガブリェル教授グループが動物実験で証明、多数の臨床例を公表した。
解離水による治験事例
相模原のFさんに見習い、解離水を飲用しながら、右肩鎖骨の化骨状況を観察した。通院は3週間後から2週に1回になった。3週間目に、ようやく、ギブスから解放された。その後、化骨は順調。割れていた鎖骨の先端が接合していた。垂れ下がっていた細い糸くずのような毛細血管が繋がり骨の周りに、びっしりと巻き付いているように見えた。整形外科医は、思ったよりも回復が早いなと呟いた。
右肩を回すとコリ、コリと音はするが痛みは、ほとんど感じなくなっていた。
事故から約7週目、右肩の違和感がなくなった。8月からテニスを再開するところまで来ている。