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新型コロナウイルス過の「後遺症」

各地から新型コロナウイルスの終息宣言の声が出始めた頃、厚労省の研究班は、新型コロナウイルスの後遺症に関する調査結果を発表した(4月23日)。

新型コロナウイルスの中等症で入院した700人のうち約10%は、退院から1年たった時点でも後遺症を抱えている可能性があるという。

 新型コロナウイルス「後遺症」とは、日本では「罹患後症状」とよぶ。感染後、感染する可能性はなくなったのにかかわらず、他に原因がなく、新しく出てくる症状全般のことを指す。

         <退院1年後に見られた後遺症の症状>

  • 筋力低下 7・4%
  • 呼吸困難 4・4%
  • 関節痛   4・0%
  • だるさ   3・5%
  • 思考力・集中力低下 3・5%
  • 嗅覚異常  1・6%
  • 味覚異常  1・0%        
    (厚労省研究班による)

厚労省研究班では、新型コロナの後遺症の疑いのある症状のガイドラインを作成して注意を呼びかけている。

  • 咳がずっと残ってしまっている
  • だるさがなかなか取れない
  • 匂いや味が感じにくくなった
  • 髪が抜けやすくなった
  • 頭に「霞(かすみ)がかかった感じでボォッとする瞬間がある(ブレイン・フオグ)  

厚労省は、今、老若男女に起きている様々な症状の原因につては不明としているが、ウイルス学や細菌学、免疫学の専門家によれば、症状の原因は、新型コロナウイルスによるものと断定はできないが、治療に使用された大量の薬剤や抗生物質による副作用が消化管や脳神経細胞に悪影響を及ぼし、上記の様々な症状を引き起こしていると指摘している。新型コロナウイルスのワクチンによる副作用も否定できないとする医療従事者も存在している

腸内戦争が勃発━小腸を襲うSIBO(シーボ)という病気

新型コロナが収束を迎えた欧米にも、新たな難病や奇病の報告が相次いでおり、新型コロナウイルスとの関連が心配されている。

日本では、まだ一般化されていない疾患で、通称シーボという。シーボとは、小腸内細菌増殖症(SIBO━Small Intestinal Bacterial Overgrowth)のことである。

 原因不明の腹痛、便秘、下痢、腹満感を訴える人の中に、かなりのSIBO患者が存在することが分かってきた。

便を作る大腸には多数の腸内細菌(1000種100兆個)が存在し、腸内フローラ(菌の共存共栄)を作り、ヒトの健康・生命維持に寄与している。

腸内フローラの名付け親である光岡知足先生(故人)によれば、腸内フローラは一つの臓器で、状態の善し悪しが即、健康や寿命に影響を及ぼすと指摘していた。

一方、水と食べ物を吸収して血液や免疫細胞を作る小腸には、それほど多くの細菌は存在していない(約1万個)。  しかし、様々な要因(新型コロナウイルス後遺症、薬剤、抗生物質の過剰投与)で小腸と大腸を区分している腸壁(粘膜細胞層)が壊れて、大腸から多数の細菌が小腸内に侵入してきて、大混乱を引き起こしている。

健康な人の腸内フローラが壊され、腸内の秩序が乱れると、過敏性腸症候群やクローン病を引き起こす要因となる。

腸内細菌はこれまでは、私たちの味方、古い友人と考えられてきたが、大腸から移動してきた細菌類は、小腸内に勢力を伸ばし始めて深刻なトラブルが発生している。

細菌の種類によって棲む場所が決まっているのに、適材適所を誤ると、善玉菌は一躍、悪玉菌に変化するというようなことが起きてしまう。

腸内細菌は繁殖する場所を誤り、あるいは増殖しすぎると、私たちの健康を脅かすようになる。

現代人の食生活の乱れ、ストレス、環境汚染、ジャンクフードの氾濫、抗生物質の乱用などによって、腸内細菌群は、いじめられ、傷つけられてきた。

地球規模の新型コロナ禍による過剰とも思える防疫体制により、私たちの腸内環境が極限まで悪化してきた。

欧米においては、小児型肝炎による感染者が急増し始めている。アルコールを飲まない小児にアルコール型肝炎(NASH:非アルコール性脂肪肝疾患)が発症している。

日本においても、小児型肝炎の事例が確認され、今後、増加すると予想されている。

 肝臓は小腸に隣接しており、小腸内で発生した細菌毒(エンドトキシン)が肝臓に達し、肝臓の解毒能力が限界に達すると、肝炎(NASH)になる。

令和日本においても、今、腸内細菌の逆襲による様々な現象が消化管内に起きている。

腸内細菌が暴れ出したのである。新型コロナウイルスによる最大の後遺症が小腸内細菌増殖症(SIBO━シーボ)であると考える。

私たちは腸内細菌とともに生きている(共生)。ある程度の腸内細菌が共生していることは生理的に重要だ。しかし、腸内細菌が過剰に増殖すると問題が起きてしまう。

例えば、大腸にあるべきバクテリアが小腸の中に入り込み小腸に停滞してしまい、本来の居場所である大腸に移動しないときにSIBOは起こる。

現在、欧米で猛威をふるっている「偽膜性腸炎」もSIBOが原因といわれている。ひどい血便、下痢、腹痛が起こり、重症化すると死に至る。2010年、アメリカで約50万人が発症、そのうち3万人が病死している(CDC発表)。

小腸の中で腸内細菌が爆発的に増えると、細菌は迷走神経を通じて脳内に入り、精神的な障害を引き起こす。

これらの精神障害は通常の検査では何ら、異常が認められない。医師は、ストレス障害や不定愁訴と診断、精神安定剤を処方して治療は終了となる。しかし、患者は何らストレスを感じていない時にも腸の状態は回復しない。

大人はうつ病、痴ほう症になり、子供は引きこもり、自閉症に罹りやすくなる。

自閉症の要因は、過剰な小腸内細菌が作り出した毒素が、脳に入り幼い脳が冒されたことによるという事例もある。

現在、考えられている治療法として小腸内の雑菌を増殖させないよう次の食材を三週間ほど控える。

●単糖類・二糖類 ●オリゴ糖 ●発酵食品 ●ポリオール(糖アルコール)

 (低FODMAP食)

オリゴ糖、発酵食品は、一般にお腹にいい食材(腸活)とされてきたが、SIBOに罹患すると、かえって症状が悪化するから、厄介だ。

カテゴリー: 水の探究