今から100年も前に、体(細胞)にとって、水が生命エネルギーの源であることを証明した人がいる。外科医のアレクシス・カレル博士(フランス)である。

カレルは鳥の心臓の細胞を34年間、生かし続けることに成功して1912年にノーベル医学生理学賞を受賞した。カレルは鳥の心臓の細胞に水と少量のミネラルだけを与え、生命維持の実験を続けた。

論文のなかでカレルは証言している。

「細胞は不死身である。細胞内の液体が退廃してしまうので、水を時々交換して、少しの栄養素を与えさえすれば、細胞の生命は途絶えることなく続いていく」

今こそ、我々はカレル博士の言葉を嚙みしめる必要がある。

水を交換せずに、栄養だけを与え続けていたら、この実験は失敗しただろう。

水が細胞のエネルギーを作り、同時に新陳代謝も行っていたということがその後の研究で明らかになった。

水が細胞膜を出入れすると、水発電現象が起こるのである。その仕組みは水力発電の原理と変わらない。魚介類は、100%水発電システムで生きている。陸上の生き物も80%近くは、水発電エネルギーに依存している。

生命は水から誕生した事実を物語っている。

水発電エネルギーが生命エネルギーの原料のATP(アデノシン三リン酸)を生産している。成人で1日に必要なATPは、何と体重と同じ量が必要なのだ。その大半が水発電に依存している。固形物(食べ物)由来のエネルギーを20%程度にするのが、健康維持のために理想であることが分かってきた。

カレルの実験では、水が8割、栄養素が2割の配合で鳥の心臓は生き続けた。博士は水が主役であることを知っていた。

細胞は水と少しの栄養分があれば、生命を維持できることを我々は早く気付かなければならない。

朝から、水も摂らずに、ご馳走を食べ続けていたら体はどうなるか。江戸時代の大名やお大尽は、朝からご馳走を食べ、痛風や糖尿病、心臓病に悩まされていたという記述が残っている。

富の象徴と考える贅沢な食生活が老化を促進し、様々な病気をもたらして、死に近づいていることを知り、改めて自分の食生活を見つめなおす必要がある。

重要なことは、水が主で食べ物(固形物)が従であること。

私事であるが、20年間、朝食は水と果物だけで済ませ、1日2食で過ごしてきた。おかげで、午前中から心身爽快で風邪も引かない。

もう一つ、重要なことがある。
食後は動かないで休養をとることである。

現代人の朝は、忙しい。食べたら、すぐ動かなくてはならない。

水も飲まないでセカセカ動き回ると、未消化の食べ物から毒素が発生して、血液を通して全身を巡る。体にいいわけがない。

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