36億年前、熱水噴出孔で誕生した生命体は、約20億年の歳月を経て、原核生物(シアノバクテリア)に進化した。シアノバクテリアは、深海から光の届く場所まで移動して光合成を開始した。シアノバクテリアは植物の祖先である。シアノバクテリアは重力に守られながら、遠心力により地上にまで生息圏を拡大していった。

25億年前、植物の光合成の仕組みを取り込み、進化した生き物が出現した。ホヤは植物と動物の機能を併せ持つ不思議な生物である。光合成と動物の呼吸系の仕組みは、真逆の反応である。酸素を利用した動物の呼吸反応の仕組みを最初に行ったのがホヤである。今も東北の海岸で獲れる珍味のホヤは、何と我々の御先祖様である。

植物の光合成も動物の呼吸反応も水を介しての求心力と遠心力のエネルギー反応である。

大地に聳える大木(ポプラ)を例にとる。ポプラの葉や枝は上空(宇宙)に向かって伸びていく(遠心力)。ポプラは、太陽のエネルギーと水を用いて光合成を行い自力で栄養源を蓄えていく。ポプラの根は、水を求めて地中に向かう(求心力)。植物は、天空由来のエネルギーと地殻由来のエネルギーを利用して生命活動を営んでいる。   動物は、水と太陽を求めて絶えず、移動し、植物の恩恵(ブドウ糖の供給)に預かりながら生き延びている。

ポプラは水の遠心力と求心力によって成長している

この世のエネルギーは究極的には二種類に大別される。外に拡大する遠心力と内側に向かう求心力である。水はエネルギーの器といわれている。

二大エネルギーが水のエネルギーの正体である。

45億年前、太陽系の一つとして誕生した原始地球は直径10mにも満たない火の玉であつたといわれている。水の二大エネルギーが地球を誕生させ、発展、進化させていった。火の玉の中心に向かう求心力は重力になり、重力に反発して膨張する遠心力が地球を現在の大きさに拡大・発展させた。

水の遠心性のエネルギーは、外に向かい破壊、分散、発散、散逸、分解を引き起こす。一方、求心性のエネルギーは、内側に向かい総合、加速、建設、収束、形成などの創造性の世界(生命)を作る。

水に高温・高圧を加えていくと、遠心性と求心性の二つのエネルギーに分解していく。この現象を水の解離という。

雨水や地下水など自然界の水は、紫外線、宇宙線、雷放電などのエネルギー照射によって極微量であるが解離している。解離度は、平均1L当たり107ppmと見積もられている。水資源の劣化により解離度は年々低下している。

地球生命は、深海の熱水噴出孔という極限環境において誕生した。生命誕生の現場は、地球内部に向かう求心力と地球の外部に向かう遠心力の拮抗したエネルギーのぶつかる坩堝であったと考えられる。生命は、求心力と遠心力の高い水を求めている。

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